第251章 竹内薫乃を論破する

まずは竹内薫乃の彼氏とファンによる第一波の貸切上映会があり、ツイッターで愛を誇示して十分な注目を集めた。

次に藤崎千明の女性ファンたちが、全国各地で「旦那様」のために貸切上映会を開いた。

結果、誰も予想していなかったが、荒木雅のある男性ファンが、全国の貸切上映会を圧倒し、一日の興行収入に貢献した。

「ミヤビファン」たちだけでなく、一般観客や原作ファンもネット上で次々と意見を表明し始めた。

[『長風』を見終わって、一番心を打たれたのは小倉穂だけだった。一つの眼差し、一つの後ろ姿、すべてが演技だった。]

[原作ファンとして、荒木雅は私の心の中の風魔流の若様を生き生きと演じていた。]

[若様のために、明日も見に行くことにした。明後日も、そして映画が終わるまで見続けるつもりだ。]

[元々は三の若様を見に行ったのに、結局若様のファンになってしまった。]

[19歳の少女が、小倉穂をこれほど見事に演じられるなんて、膝を折って敬意を表します。]

……

二日間で、ツイッター上には荒木雅の演技が素晴らしいという評価であふれかえった。

[小倉穂 荒木雅]というタグは、芸能事務所の働きかけなしに、トレンド5位まで上昇した。

あの日の貸切上映会以来、プロモーションイベントでは荒木雅を支持するファンがますます増え、それだけでも竹内薫乃は内心恨みを抱いていた。

今や、ネット上でも彼女への賞賛の言葉であふれていることに、竹内薫乃はついに我慢できなくなった。

そこで、ツイッター上では荒木雅のあの筆頭男性ファンを疑問視する声が出始めた。

[全国で貸切上映会をした人は、映画館を貸し切っただけでなく、とっくに彼女も囲っているんじゃないの?]

[スポンサーがお金を出してファンを買っているから、彼女が人気が出ないわけがない。]

[19歳の大学1年生が、どうやってこんな大作の映画に出られるの?]

[スポンサーがいるから、北川秋の役を奪えたんだね。]

……

一般のツイッターユーザーだけでなく、竹内薫乃のチームの指示の下、一部のエンターテイメント業界の有名人も便乗してネット上で世論を誘導し始めた。

これらの人々は荒木雅を批判する一方で、『長風』の女優、竹内薫乃を持ち上げることも忘れなかった。

[ファンを買って自分の演技を褒めさせるなんて、恥知らずもいいところだ。]