第232章 あなたと寝に来た

ホテルに戻ると、彼らのフライトまでそれほど時間が残っていなかった。

二人はそれぞれ自分の部屋に戻って荷物をまとめ、撮影クルーと合流して空港へ向かった。

竹内薫乃を工藤家に連れて行かなかったため、薫乃はずっと不機嫌な顔をしていた。

藤崎千明は搭乗を待つ間、こっそり彼女に尋ねた。

「昨夜、一体どうやって工藤司と知り合ったんだ?」

工藤司の今日の行動はあまりにも常識外れだった。

そして彼女も、今日は少し様子がおかしかった。

工藤みやびはもう隠す気もなく、直接答えた。

「昨夜、彼らは誰かを捕まえようとしていて、私を間違えて連行したの。それで石橋林人に電話したら、林人が迎えに来てくれたわ」

「マジかよ、そんな大事なことを俺に言わないなんて!」藤崎千明は怒った。

「言ったところで、あなたはお兄さんに報告するんでしょ?」工藤みやびは彼を横目で見た。