第317章 さすが、藤崎雪哉らしい

藤崎雪哉はこの言葉を聞いて、楽しげに低く笑った。

「こちらは丁度秋冬のファッションウィークだけど、欲しいものはある?」

「いらないわ、家にあるものでもう着きれないくらいあるから」

工藤みやびはすぐに断った。彼女の服はすでにショッピングモールが開けるほど多かった。

「じゃあ、私が見繕っておく」と藤崎雪哉は言った。

工藤みやびは彼が出張に行くたびに、必ず何かを持ち帰ってくることを知っていたので、もう説得するのも面倒になった。

「さっき池田輝から聞いたけど、藤崎千明の状態があまり良くないって。もっと手加減しろって言ったのに、あなたやりすぎたわね」

藤崎雪哉は弟をいじめたことに少しの罪悪感も持っていなかった。「彼が藤崎姓でなかったら、もっとひどい目に遭わせていたよ」

「……」