第435章 君に空っぽにされたい

しかし、藤崎雪哉は恥じることを全く知らなかった。

「一日一回だとしても、一ヶ月でどれだけ不足しているか分かる?」

彼女はいつも数日帰ってきては、また一ヶ月ほど出かけてしまう。

工藤みやびは歯を食いしばり、真剣な口調で諭した。

「過度な欲望は体に悪いわ。若いうちから体を使い果たさないでよ?」

藤崎雪哉は表面上は真面目そうだったが、口では節操なくからかった。

「君に使い果たされたいんだ」

工藤みやび:「……」

なぜ彼女はここに来たのだろう、そのまま行けばよかったのに?

二人は寝室には戻らず、書斎でキスをしたり抱き合ったり話したりしただけだった。

マネージャーから催促の電話がかかってきて、藤崎雪哉はようやく彼女を階下まで送った。階下では椅子に縛り付けられて拷問を受けていた人物が、藤崎千明から藤崎千颯に変わっていた。