しかし、藤崎雪哉は恥じることを全く知らなかった。
「一日一回だとしても、一ヶ月でどれだけ不足しているか分かる?」
彼女はいつも数日帰ってきては、また一ヶ月ほど出かけてしまう。
工藤みやびは歯を食いしばり、真剣な口調で諭した。
「過度な欲望は体に悪いわ。若いうちから体を使い果たさないでよ?」
藤崎雪哉は表面上は真面目そうだったが、口では節操なくからかった。
「君に使い果たされたいんだ」
工藤みやび:「……」
なぜ彼女はここに来たのだろう、そのまま行けばよかったのに?
二人は寝室には戻らず、書斎でキスをしたり抱き合ったり話したりしただけだった。
マネージャーから催促の電話がかかってきて、藤崎雪哉はようやく彼女を階下まで送った。階下では椅子に縛り付けられて拷問を受けていた人物が、藤崎千明から藤崎千颯に変わっていた。