第479章 なぜなら……工藤みやびはすでに死んでいる

「工藤司?!」

藤崎千颯は眉をひそめ、彼の言葉を信じられなかった。

もし工藤司なら、直接彼を殺して兄の仇を討つのではないのか?

なぜ人を工藤家に連れて行き、さらに荒木雅が死んだという偽りの状況を作り出したのか。

藤崎雪哉はそれほど驚いた様子はなく、この人物が「本」という姓であることを知ってから、すでに状況をうっすらと推測していた。

「どうやってそれを知ったんだ」

本間壮佑は自分のスマホを取り出し、動画を開いて藤崎雪哉の前に差し出した。

動画には、工藤司に支えられて庭を歩き、藤棚の下に立つ荒木雅の姿があった。

動画は短く、すぐに終わった。

しかし、工藤司と一緒に歩いているその少女が間違いなく荒木雅であることは見て取れた。

藤崎千颯:「お義姉さんがなぜ工藤司と一緒に歩いているんですか?」