カーマン・ドランスの邸宅での夕食を終え、工藤みやびたちはホテルに戻った。
部屋に入るとすぐに、バイカーレザージャケットを着た男が座っており、タバコをくゆらせながらくつろいでいた。まるで自分の家にいるかのようにリラックスしていた。
彼女は驚いて言葉を発する間もなく、彼女の後ろを歩いていた三浦星安が風のように駆け寄り、その人物と戦い始めた。
拳と足が飛び交い、あっという間に椅子やテーブルがめちゃくちゃに壊れていった。
最終的に三浦星安のナイフが相手の首に突きつけられ、相手の銃も彼女の額に向けられていた。
「星安、味方だから、そんなに緊張しないで」と工藤みやびは言った。
彼女の部屋にいたのは男ではなく、男装した本間夢だった。
しかし、ドランス家の人々が彼女を追っているというのに、カーマン・ドランスの目の前で彼女に会いに来るなんて。
彼女の勇気を褒めるべきか、それとも無謀さを叱るべきか?
三浦星安は彼女の言葉を聞いて本間夢をじっと見つめ、ナイフを引っ込めた。
しかし本間夢はその流れで小柄な三浦星安を抱き寄せ、遠慮なく彼女を冗談めかして口説いた。
「かわいい子ちゃん、腕前いいじゃないか」
三浦星安は怒り、彼女に背負い投げをかけようとした。
しかし、本間夢は用心していたので、彼女の技は決まらなかった。
ただ、この冗談がきっかけで、三浦星安はまた彼女と戦い始めた。
工藤みやびと石橋林人は壁に寄りかかって立ち、二人が戦い終わるのを待ってから話し始めた。
「満足した?外の広場でもう一戦する?」
本間夢は三浦星安に引きちぎられたかつらを拾い、再び頭にかぶった。
「見た目はかわいいのに、なんでそんなに手加減しないの?」
「もういいでしょ、男じゃないんだから、女の子に手を出さないで」と工藤みやびは呆れて言った。
特に、三浦星安は見た目はかわいいのに、戦いになると非常に凶暴な女の子だった。
本間夢はかつらをきちんとかぶり直し、再びタバコに火をつけた。
「カーマン・ドランスに会ったの?」
「うん、会った」工藤みやびは座れる場所を見つけて座った。
本間夢は三浦星安と石橋林人を見て、「彼女と二人きりで話せる?」と尋ねた。
三浦星安は彼女をじっと見て、「ダメ」と言った。
本間夢はタバコをくわえたまま、自分の上着を脱ぎ、服をめくって見せた。