第575章 堀夏縁:カーマン・ドランスが私を調査している

大雨は前日の午後から降り始め、翌朝になってようやく止んだ。

雨が止み、太陽は予定通りに昇った。

車の中で一晩過ごした工藤みやびたちは、我慢できずに車から降りて体を伸ばした。

食料が不足していたため、全員がお腹を空かせていた。

ガイドとカメラマンは前の車の食べ物に目がくらんでいたが、彼女と三浦星安の強い反対により、空腹を我慢するしかなかった。

工藤みやびは雨上がりの荒野を見渡し、道の先にまだ工藤司の車が停まっているのを見た。

三浦星安もそれを見て、小声でつぶやいた。

「あの人、病気なの?あなたを追いかけ回して何がしたいの?」

前回は彼女を工藤家に連れて行き、今度はストーカー行為だ。

目が見えないのか?

彼女が社長の女だということを知らないのか?

工藤司の部下たちは再び彼らに近づいてくることはなかったが、去ろうともしなかった。

工藤みやびは彼らがまだいることを知っていたが、無視していた。

本来なら三日目まで待たなければ、藤崎雪哉が手配した救援隊が来ないと思っていた。

しかし、その日の夕方、三浦星安が車の外で水を飲んでいると、遠くに救助のために低空飛行しているヘリコプターを見つけた。

彼女はすぐに窓をノックして、工藤みやびを車から呼び出した。

「あそこを見て、きっと彼らが来たわ」

社長が手配した人以外に、この人気のない地域の上空をヘリコプターで遊覧する人はいないだろう。

三浦星安は工藤みやびのショールを引っ張り、車の屋根に登ってヘリコプターの方向に向かって手を振った。

しばらくすると、ヘリコプターは彼らの方向に飛んできて、上空で旋回した後、着陸場所を見つけて降りてきた。

ヘリコプターが着陸するとすぐに、石橋林人がドアを開けて飛び降り、彼らを見つけて安堵のため息をついた。

「ようやく見つけましたよ」

ずっと連絡が取れなかったため、社長はすぐに二機のヘリコプターを手配し、彼と他の二人のボディガードを連れて人気のない地域で捜索していた。

昨晩の大雨でさらに捜索は困難になっていた。

工藤みやびは車から自分のバッグを取り、「やっと来てくれたのね」と言った。

石橋林人は彼女と三浦星安を見て、彼らの荷物を受け取りながら言った。

「先にヘリに乗って行きましょう。社長もそろそろ到着するはずです」