第534章 殺傷力はまだ足りないな

本間壮佑の言葉を聞いて、工藤みやびは彼と議論することをやめた。

しかし、心の中ではまだ諦めるつもりはなかった。

ただ、目の前の困難を解決しつつ、自分が巻き込まれないようにするには、慎重に考える必要があった。

彼女は福くんを連れて病院に午後まで滞在し、小さな子は遊び疲れて眠ってしまった。

藤崎雪哉は仕事を終え、直接病院に彼女を迎えに来たが、彼女の腕の中で眠っている福くんを見て再び眉をひそめた。

そして二人を車に乗せた後、天水ヴィラに直接戻るのではなく、藤崎家の本邸へと向かった。

工藤みやびは方向が違うのを見て、彼が何をしようとしているのか既に察していた。

「お義母さんに二日間面倒を見ると約束したの」

「俺が連れて行く。彼女は文句を言わないだろう」と藤崎雪哉は言った。