一週間後、堀夏縁は風邪と熱が治り、自ら連絡を取ってウォルソンに嘘発見器テストを受ける準備ができたと伝えた。
ウォルソンは電話を受けるとすぐに、彼女たちを臨時に用意された実験室へ案内する手配をした。
「堀奥様と堀さん、どちらが先に行きますか?」
「私が先に行きましょう」鈴木香はバッグを置き、自ら申し出た。
スタッフはドアを開け、彼女を中に通して座らせ、体の様々なデータを監視する装置を取り付けた。
すべての準備が整うと、スタッフは退いた。
アジア系の心理学者がウォルソンの合図で最初の質問を始めた。
「堀奥様は聖路加国際病院の医師ですか?」
鈴木香:「はい」
「工藤みやびが刺されて入院した時、あなたは彼女の主治医でしたか?」
鈴木香:「はい」
「彼女の脳死を診断したのはあなたですか?」