竹内薫乃は大画面に映った写真を見て、頭が真っ白になった。
「これは偽物よ、全部偽物!」
「こういう写真はまだたくさんあるけど、一枚一枚見せていこうか?」石橋林人は冷笑いながら尋ねた。
竹内薫乃はもはや優雅なイメージを保つことなど気にせず、石橋林人を指さして言った。
「全部偽物よ、これは私の母じゃない、あの時送られたのは……」
「送られたのは誰だ?」石橋林人は彼女が言いかけて止まったのを見て、詰問した。「あの時送られたのは荒木雅だろう?お前たちは彼女を送ろうとしていたんじゃないのか?」
竹内薫乃は認めるわけにもいかず、否定もできず、歯を食いしばって何も言えなくなった。
「あの時、お前たちは荒木雅を天盛グループの山本社長の玩具にしようとしたが、運悪く彼女は逃げ出した。そしてお前の母親はお前に役を取らせるために、自ら山本社長に体を許した」石橋林人はそう言いながら、大画面の写真を指さして証拠とした。
「違う、そんなことはない、これは誹謗中傷よ、誹謗中傷で訴えるわ!」竹内薫乃は顔色を失い、怒りながら言った。
あれは彼女の母親のはずがない、絶対にあり得ない。
石橋林人は可笑しそうに自分の眼鏡を直し、立ち上がってスーツを整えた。
「本来なら雅はキャリアが順調で、あなたたちなど相手にする気はなかった。でも、あなたたちが彼女のところに来て存在感を示そうとした」
「この数日間、私たちが声明を出さなかったのは、あなたたちを恐れていたわけではなく、あなたとあなたの恩知らずな両親に対して訴訟を起こす準備をしていたからだ。弁護士からの通知書はもう届いているはずだ」
「それに、あの時の交通事故についても、警察に再調査を依頼した。その時はぜひ協力してもらいたい」
……
「あなたたち…人を殴っておいて謝罪もせず、こんな罪をかぶせようとするの?」
竹内薫乃は納得がいかなかった。本来は荒木雅の暴行事件について説明するために来たのに、どうして自分がこんなに受け身で恥ずかしい立場に追い込まれたのか。
「そう、雅は確かにお前を殴った」石橋林人は冷たく鼻を鳴らして言った。「彼女がなぜお前を殴ったのか、みんなに真実を知ってもらう時が来たようだ」
彼が言い終わると、放送室で待機していた藤崎千明が、録音を流すよう指示した。