41章 鈴木智恵の秘密!

「はい、この数日間、彼らが郊外の住宅地に一緒に出入りしているのを見ました。二人は遠慮なく抱き合ったりしていて、恋愛真っ最中のようです」

松本優が妊娠したため、神崎翔が浮気をするのは当然のことだった。彼が外で別の女性を作ることは神崎弥香にとって驚くことではなかったが、彼がわざわざ鈴木智恵を選んだことに、神崎弥香は眉をひそめた。この二人は明らかに彼女を不快にさせようとしていた。

「姉さん、大丈夫?」

向かいの下川鈴は神崎弥香の声が聞こえないので、心配して尋ねた。

「大丈夫よ。彼らが一緒にいる写真を送ってくれて、それから二人の監視を続けてちょうだい」

下川鈴は電話を切った後、撮影した写真と鈴木智恵が住んでいるマンションの住所を神崎弥香のスマホに送信した。

神崎弥香は写真を開いて拡大した。神崎翔は優しい表情で鈴木智恵を抱き寄せ、鈴木智恵は甘えた様子で寄り添っていた。二人はとても親密で、確かに蜜月の時期のように見えた。

神崎弥香は大学時代のことを思い出した。当時はまだ鈴木智恵の本性を見抜けておらず、二人は何でも話せる親友だった。鈴木智恵は何度も神崎翔への賞賛を口にしていたが、神崎弥香はそれを自分のことを喜んでくれているだけだと思っていた。今考えると、すべては前兆があったのかもしれない。

神崎弥香は目を伏せた。神崎翔の行動はますます傲慢になり、無謀になっていた。松本優が突然帰国したのも、何かを察知したからだろう。今の彼女がすべきことは、神崎翔の不倫の証拠を集め続け、いつか使えるようにしておくことだった。

神崎弥香は佐藤浩二に電話をかけ、香を作る道具と材料を一緒に買いに行く約束をした。佐藤浩二はもちろん喜んで承諾した。

二人が会うとすぐに、佐藤浩二は最近集めた情報について話し始めた。今回の香作りコンテストの第一ラウンドと第二ラウンドの審査員は葉山新一で、最終決勝戦は香作り界の百人の師匠たちが最終的な勝敗を決めるという。

葉山新一は当時鈴木智恵を指導していた先生だった。これは鈴木智恵にとっては良いことだが、彼らにとってはあまり好ましくなかった。