神崎弥香は鈴木智恵の声を聞いて、目の奥に微妙な冷たさが走った。
彼女は枠の件を思い出し、冷静に返事をした。「いいわよ、その時はあなたに特別なプレゼントを用意するわ」
「実は私、ただの社交辞令のつもりだったの。まさか本当に来てくれるなんて思わなかった。正直、驚いているわ」
以前なら、神崎弥香は絶対に行かなかっただろう。しかし鈴木智恵の秘密を知った今、これは絶好の機会だった。鈴木智恵が歓迎しようがしまいが、彼女は必ず行くつもりだった。
「あなたが誘ってくれたんだから、当然顔を出すわ。誕生日会で会いましょう。特別なプレゼントを用意しておくわ」
神崎弥香は電話を切ると、窓の外を見つめ、心に波が立った。もしあの件が本当に鈴木智恵のしたことなら、絶対に許すつもりはなかった。