第48章 2人一起に愛人を見に行く!

神崎山雄は穏やかな口調で話したが、その言葉には拒否できない決意が込められていた。

神崎弥香と神崎翔は不本意ながらも、渋々承諾するしかなかった。

神崎山雄はその後、神崎翔を書斎に呼び、神崎弥香は一人で部屋に戻った。

書斎に着くと、神崎山雄は青水荘リゾートの件について自分の見解を神崎翔に伝え、入札時の注意点をいくつか言い聞かせた。

その話題が終わると、神崎山雄は表情を引き締め、厳しい声で切り出した。「お前の外での行動はとっくに耳に入っている。すぐに外の女と縁を切って、家庭に心を向けろ。はっきり言っておくが、もし神崎弥香と離婚するようなことがあれば、神崎家の財産は諦めろ」

これらの言葉は神崎翔にとって耳タコだった。彼には理解できなかった。なぜ祖父は落ちぶれた部外者のためにこれほど自分に厳しいのか。結局、自分こそが彼の実の孫なのに。

心の中では納得していなかったが、表情には少しも感情を表さず、敬意を込めて頷いて答えた。「安心してください、祖父。彼女と離婚するつもりはありません」

「もう一度言う。外の女とは縁を切れ。私が直接人を送って片付けさせるようなことにするな。私のやり方は分かっているだろう」

神崎山雄の表情は威厳に満ち、言葉も力強かった。神崎翔は眉間にしわを寄せ、数秒黙った後、再び答えた。「分かりました、祖父」

神崎山雄は彼の態度がまずまずだと見て、険しい目つきをようやく和らげた。「お前たちも若くないんだ。早く子供を作りなさい」

神崎翔は思わず口をとがらせた。他の男に弄ばれたあの腐った女に触れるなんて、彼は全く望んでいなかった。

神崎山雄はこの孫のことをよく理解していた。彼はゆっくりと付け加えた。「お前たちに子供ができれば、男の子でも女の子でも、その子が生まれたら、すぐに神崎家の株式の10パーセントを与えよう」

神崎翔は書斎を出て2階に上がっても、まだ祖父が言った10パーセントの株式のことを考えていた。

神崎財団全体で、神崎山雄は35パーセントの株式を握り、神崎文雄、神崎輝夫、神崎明彦がそれぞれ10パーセントずつ、彼と神崎弥香が共同で20パーセントを持ち、他の株主が合わせて15パーセントを所有していた。