第66章 クズ男が自ら離婚を申し出る!

山田海斗は眉を上げた。これがどんな理由になるというのか?帝都圏の御曹司だからこそ、そんな身勝手なことが言えるのだろう。

川辺遥真は彼らの病院の人材だ。もちろん彼を解雇したくはないが、この帝都圏の御曹司も敵に回せない。

彼が躊躇している間に、三神律は冷たい声で口を開いた。

「貴院が輸入医療機器を購入する予定だと聞いている。上層部の財政が厳しいため、その資金がなかなか承認されないようだ。私は個人名義で2000万円を寄付し、木下院長のこの問題を解決したい」

帝都圏の御曹司は噂通りだ。一言で大きな金額を出してくる。この問題は山田海斗を長い間悩ませていたが、今彼がこの資金を援助してくれるなら、山田海斗としては喜ばしいことだ。

ただ川辺遥真のことを考えると、まだ諦めきれない。彼は探りを入れるように尋ねた。「三神社長、他に解決策はないのでしょうか?彼を解雇するしかないのですか?」