第75章 三神財団が沸騰した!

森本城一はその場で固まり、再び驚きのあまり顎が落ちた。「恋愛をされるんですか?」

三神律は彼の驚愕した様子を見て、目に冷たさを宿した。「どうした、私が恋愛できないとでも?」

森本城一は自分の失言に気づき、慌てて否定した。「いえ、いえ、もちろんできます。ただ、社長はこれまで長年独身でいらっしゃったので、突然恋愛するとおっしゃるのが少し意外だっただけです。」

三神律は手首を上げて時間を確認し、指示した。「このアンケート調査は昼休みに実施してくれ。まずフォーマットを作成して、従業員に記入してもらい、三日後に回収して私に提出するように。」

森本城一は快く承諾した。「かしこまりました、三神社長!」

森本城一がドアに近づいたとき、三神律に呼び止められた。

「君は恋愛経験があるか?あるなら記入してくれ。」

森本城一は三神律の表情を窺いながら、慎重に答えた。「社長、私は毎日仕事が忙しくて、恋愛する時間がありません。」

三神律は薄い唇を軽く上げた。「それは私に不満を言っているのか?休暇を与えようか!」

森本城一は心中大いに驚き、謝りながら言った。「社長、いえ、いえ、現在の仕事と給料には非常に満足しています。私をクビにしないでください。今すぐフォーマットを作らせます。」

彼はそう言うと、一目散に走り去った。

三神律は口をとがらせた。ただ数日の休暇を与えようとしただけなのに、そんなに緊張することはないのに。

森本城一がこの件を部下に指示した後、三神財団全体が瞬く間に沸騰した。

「三神社長が恋愛するって?まさか、鉄の木に花が咲いたみたい!本当に意外だわ、私はてっきり彼がゲイだと思ってたのに。そのことでずっと残念に思ってたのに。」

「わぁ、御曹司は恋愛しないときはしないけど、一度するとやっぱり違うわね。恋愛経験を募集するなんて、今回の恋愛を本当に重視してるのね。その女の子は本当に運がいいわ。三神社長はお金持ちでイケメンで、身持ちも堅いし、体型もあんなに素敵だし、本当に羨ましい!」

「御曹司の恋愛相手は想像するまでもなく、相手の家柄も絶対に悪くないでしょう。彼らのような家庭では、恋愛や結婚はビジネス上の縁組みに違いない。彼らがどれだけ愛し合っているかは分からないけど、釣り合いのとれた相手であることは間違いないわ。」