神崎弥香は思い切って目を閉じ、彼の熱く優しいキスに酔いしれた。
そして三神律は神崎弥香の腰をしっかりと抱き寄せる手で、力強く持ち上げると、彼女をしっかりと抱き上げた。彼はすぐに振り返って足でドアを閉めた。
三神律のこの一連の動作は素早くも安定していて、彼は彼女を抱えたまま病床の方向へ向かった。
神崎弥香は彼の首に腕を回し、不安そうに言った。「あなたの手はまだ怪我してるわ。私は自分で行けるわ」
三神律は彼女に近づき、目を細めた。「信じてないの?俺が君を落とすと思う?」
神崎弥香は彼の片腕だけで抱かれていたが、それでも十分な安心感を感じていた。彼女は力強く頭を振った。「あなたが片手で私を抱えて疲れるんじゃないかって心配してるの」
三神律の目が突然艶めかしく熱くなり、彼の口元にゆっくりと意地悪な笑みが浮かんだ。「俺は片手で腕立て伏せをしても長く持つから、心配しなくていいよ」
神崎弥香は一瞬固まり、すぐに彼の言葉の意味を理解した。彼女は耳まで真っ赤になり、うつむいて彼の肩を力強く叩きながら、嗜めるように言った。「三神律、あなたバカね、誰がそんなこと言ったのよ」
「どんなこと?」三神律は彼女が赤面したのを見て、急に彼女をからかいたくなった。彼は彼女の振り回す手をぐっと掴み、彼女をじっと見つめながら、わざと分からないふりをして尋ねた。
「あなた、三神律、恥知らず!」神崎弥香は視線をそらし、もう彼を見なかった。
三神律は腕の中で怒った様子の神崎弥香を見つめ、愛情を込めて彼女の鼻先をつついた。とても真面目な調子で冗談を言った。「俺の恥知らずは永遠に君だけのものだよ」
「誰もが女性に近づかないと評判の都会の御曹司が、こんなに口が上手いなんて思わなかったわ」
神崎弥香は口では嫌がっていたが、体は彼をしっかりと抱き返し、恥ずかしそうに頭を彼の首筋に埋めていた。二人は密着し、三神律は彼女の吐く温かい息と彼女の柔らかな体のラインを感じていた。
彼の呼吸は次第に乱れ、荒くなった。彼が長い間抑えてきた欲望はいつ制御を失ってもおかしくなかった。
彼はもう我慢したくなかった。彼は神崎弥香を抱えたままベッドの端まで急いで行き、彼女を注意深くベッドに下ろした。彼は長い間彼女を見つめ、感情を込めて言った。「神崎弥香、君が今目の前にいても、まるで夢のようで現実感がないよ」