第150章 御曹司は子供が欲しくない!

「三神社長、私はレコーダーから青水荘プロジェクトで三神景元が協力会社の藤田建設から1000万円の賄賂を受け取ったことを聞きました。私はまだ青水荘のプロジェクト部にいますが、三神景元は機敏に反応し、私が仕事をしている間に私の宿舎を全て調べました。彼は今、私を半ば軟禁状態にしています。元々一人で住んでいた宿舎に、今は彼が理由をつけて3人も入れました。今では私がどこに行っても誰かがついてきて、携帯電話も理由をつけて取り上げられました。今日は彼に仕事に出されたので、彼が手配した人がトイレに行った隙に、わざと通行人の携帯を借りてあなたに電話しています。早く誰かを送って助けてください。三神社長、切らないと。」

渡辺文子は電話を切った。三神律はためらうことなく、森本城一に電話をかけ、適当な理由をつけて青水荘プロジェクト部から渡辺文子を御景マンションの自分の家に連れてくるよう指示した。

その夜、三神律は一人で車を運転して海浜市へ向かった。途中で森本城一から電話があり、無事に渡辺文子を御景マンションに連れてきたと報告を受けた。

三神律は御景マンションに着くと、まず神崎弥香に簡単に説明してから、向かいの部屋へ行った。

渡辺文子は三神律が来たのを見て、やっと安心した。彼女はトイレに行き、そこからボイスレコーダーを取り出した。彼女は三神景元に追い詰められ、ボイスレコーダーを体の隠し場所に隠すしかなく、そうして三神景元の捜索から逃れることができたのだ。

彼女が再生ボタンを押すと、酔っぱらった三神景元の声が流れ出した。三神律が録音全体を聞き終えると、彼はそのボイスレコーダーを受け取った。

彼は目を光らせた。以前に集めた証拠と合わせれば、三神景元は残りの人生を刑務所で過ごすことになるだろう。

彼は三神景元の背後にはまだ多くの共謀者がいることを知っていた。確かなのは、これらの人物は全て三神財団の内部の人間であり、大まかな人物像も把握していたが、証拠が不十分だった。草を刈って蛇を驚かさないように、彼はこれらの証拠をひとまず保留し、引き続き人を派遣して調査を続け、一網打尽にすることを決めた。