第197章 神崎翔、殴られる!

三神律は表情を平静に保ち、軽く目を上げて神崎翔を一瞥した。まるで何か汚いものでも見たかのように、すぐに視線を逸らした。

神崎翔は三神律の顔に何の動揺も見られないのを見て、自分が今言ったことが綿に拳を打ち込んだようなもので、柔らかく無意味に終わったと感じた。

特に三神律は下半身が麻痺していたが、彼からは少しの落胆や卑屈さも感じられなかった。相変わらず高貴で近寄りがたい様子だった。

それが彼を不快にさせ、苛立たせた。以前、三神律が高い地位にいた時は彼をさんざんに弄び、辱めたので、彼はとっくに三神律を憎んでいた。三神律が失脚する日をどれほど長く待ち望んでいたことか。今やっと三神律が高い地位から転落したのに、三神律は彼が想像していたような姿ではなかった。

しかし神崎翔はほんの一瞬腹を立てただけで、すぐに気を取り直した。彼は三神律の冷静さは人前で装っているだけだと推測した。そうでなければ、誰がこれほどの挫折と変化を経験して、彼のように感情を安定させることができるだろうか。