第239章 神崎弥香が御曹司の結婚式に出席!

神崎弥香は彼を見つめ、躊躇なく断った。「望月文臣、好意は嬉しいけど、今日彼の結婚式に参加するのは過去に完全に別れを告げるためなの。安心して、私は人がどう思うかなんて気にしないし、体裁を保つ必要もないわ」

望月文臣は「わかった、君がそう考えられるなら良かった。芳川市に行けば、きっと新しい世界を切り開いて、新しい自分を見つけられると信じているよ」と言った。

神崎弥香は彼に向かって微笑んだ。

道中、神崎弥香はずっと窓の外を眺めぼんやりしていた。彼女が三神律の結婚式に参加する理由は過去に別れを告げるためだけでなく、三神律が突然別れを告げたことで立ち直れなかったからでもあった。この機会に自分の気持ちに区切りをつけ、彼への執着を完全に断ち切りたかった。

2時間余りが経ち、神崎弥香と望月文臣はホテルの宴会場の入り口に到着した。神崎弥香はホテルの名前を見上げた。彼女は帝都市についてあまり詳しくなかったが、リッツカールトンが帝都市で最も有名で豪華な五つ星ホテルであることは知っていた。以前、三神律が整理していた結婚式の会場リストでこのホテルの名前を見たことがあったからだ。