第297章 恋敵同士の対決!

三神律は森本城一をじっと見つめ、彼の答えを待っていた。空気は一瞬にして冷たく凍りつき、緊張感が極限まで高まった。

森本城一はその場に立ち尽くしていた。三神律の視線に背筋が凍る思いだった。彼は三神律のそばで何年も働いてきたからこそ、三神律が極度に怒っているとき、あるいは冷静さを失っているときの様子をよく知っていた。

恐怖で体が思わず震え、沈黙の後、彼は三神律を見つめ、唇を震わせながら正直に答えた。「社長...これは...望月文臣と神崎さんの結婚式の招待状です。日取りは来週の水曜日になっています」

その言葉が出た瞬間、オフィスには死のような沈黙が広がった。森本城一の心臓は喉元まで上がってきた。彼は恐る恐る待っていると、ようやく三神律が低い声で言った。「持ってこい!」

その声は極めて冷たく、背筋が凍るようだった。森本城一は足が震えていたが、少しでも遅れることを恐れ、素早く身をかがめて三神律の前に進み、招待状を机の上に置いた。

三神律は机の上の招待状をしばらく見つめてから、それを開いた。招待状の名前を見た瞬間、彼の目は赤く染まり、招待状の角を掴む指がだんだんと強く握りしめられ、力が入りすぎて体全体が微かに震えていた。

この招待状は彼の目を傷つけるかのようで、彼はちらりと見ただけでそれをゴミ箱に投げ捨てた。

その場に固まっていた森本城一は思わず三神律を盗み見た。三神律の表情は強張り、目の奥の殺気は氷の穴よりも冷たく感じられ、彼は頭から足先まで寒気を感じた。

三神律は呆然とした様子で机中を探り、ようやくタバコの箱を見つけた。彼はすぐに一本取り出し、呼吸が次第に荒くなり、指も制御できないほど震え始めた。彼は頭を垂れ、そのタバコに火をつけるのに長い時間がかかった。

森本城一はその様子を見て、急に緊張した。これは三神律が初めて見せる症状ではなかった。前回は5年前、神崎弥香が去ったときだった。彼が空港から戻ってきてすぐ、彼の体は突然制御不能に震え始め、その後まもなく彼は気を失った。医師の診断は重度のうつ病による身体化症状だった。