高橋優奈は綾瀬光秀の考えや行動を理解できなかった。
2500万を節約する方が、無駄に2500万を使うよりも嬉しいことではないだろうか?
もちろん、これは彼女の考えだけだった。
綾瀬光秀は足を動かし、彼の目障りになっていた服の袋を手に取り、数歩でゴミ箱の側まで行くと、手際よくそれを投げ入れた。
高橋優奈は彼の動きを見て、口が少し開いていた。
あれだけのお金、本当にもったいない!
男は彼女の側に来ると、部屋のドアの方向に顎をしゃくった。「戻ろう」
彼女は頷いた。「ええ、いいわ」
二人は前後して部屋に入った。
綾瀬光秀は後ろにいて、ドアを閉めた後、振り返ると高橋優奈が少し離れたところに立っていて、彼を待っているようだった。
男は平然と彼女の横を通り過ぎ、最後にソファに座った。
高橋優奈はついていき、男の向かいに座った。