第162章 反抗心を全て私に向けてきた

林知恵は冷たい視線で目の前の人々を見渡し、最後に目の前の中年警察官に視線を固定した。

「あなたが松本香奈の叔父さんですね?」

「私は公正に法を執行しており、根拠もあります。それをご理解ください。」

彼は林知恵の質問に直接答えず、むしろ背筋をピンと伸ばし、とても正義感あふれる人物であるかのように見せた。

しかし、彼が無意識に松本香奈に向けた視線が彼の本心を露呈していた。

林知恵は軽く笑って言った。「すみませんが、あなたの法執行には同意できません。私が通報してからそれほど時間が経っていないのに、この松本さんはすでにすべての診断書を入手しています。一方、私の診断書はまだ二枚出ていません。」

「松本さんは本当に先見の明がありますね。」

「それに、警察は私から証言を取っていません。いつから被害者が通報したのに、加害者の証言を基準にするようになったのですか?」