松本香奈はオフィスの外で止められ、周囲に騒ぎを起こした。
人々は次々と見物していた。
林知恵は目の前の影がちらりと動くのを感じ、気づいた時には、宮本深はすでに折木和秋のいる方向へ向かっていた。
彼は歩きながら、田中慎治に一瞥をくれ、何かを言いつけているようだった。
田中慎治は腕が立つので、彼が折木和秋に危害が加えられることを心配しているのは明らかだった。
去っていく姿を見つめながら、林知恵はもう耐えられず、地面に崩れ落ちた。
向こうがますます騒がしくなるのを聞いて、彼女は力強く顔を拭い、立ち上がって歩いていった。
木村悦子のオフィスの外には、案の定、警報装置があった。
松本香奈がオフィスに近づくとすぐに警報が鳴り、彼女は思い切って中に突進したが、警備員に止められた。