第172章 一緒に入る?

宴会に参加していた大半の人々は初めてこのような検査を受けることになり、皆が興味津々といった様子だった。

唯一、折木和秋だけが目に涙を浮かべ、小さな声ですすり泣いていた。

「警察官、寛大な処置をお願いできませんか?知恵はまだ若いのです。この件が広まれば彼女の名声は台無しになってしまいます」

警察官は厳しい表情で言った。「法は法です。誰であれ、それを越えることは許されません」

この言葉を聞くと、さっきまで林知恵の側に立っていたデザイナーたちは、巻き込まれることを恐れて次々と後ずさりした。

林知恵は顔を上げて折木和秋を見つめ、冷ややかに言った。「折木さん、結果もまだ出ていないのに、どうして私に問題があると決めつけるのですか?あなたには予知能力でもあるのですか?」

折木和秋は一瞬固まり、すぐに涙をぬぐった。「ただあなたを心配しているだけよ。何か問題が起きるのが怖かっただけ。余計なことをしたわね」