第189章 三男様が自ら選んだ

結婚の引き出物?

林知恵はぼんやりと目の前の箱を見つめていた。

オルゴールの形をしており、どの部分も手作りの美しさが滲み出ていた。

外装だけでもこれほど精巧なら、中身はなおさらだろう。

ぼんやりとした中で、折木和秋がゆったりとしたカシミアのロングドレスを身にまとい、全身が柔らかな光に包まれているように見えた。

彼女は存在しないお腹を優しく撫で、微笑んだ。「知恵、今日のニュース見なかったの?三男様と私、結婚することになったの。主に三男様が私の美意識を知っていて、お腹が大きくなるとウェディングドレスが着られなくなるから心配してくれたの」

そう言いながら、彼女はみんなのテーブルの上にある引き出物を指さした。

「結婚を発表したばかりなのに、もうブランドから引き出物のサンプルが送られてきて選んでほしいって。目移りしちゃって、みんなに選んでもらおうと持ってきたの」