第307章 林知恵を見る目が純粋ではない

桑田蘭子は来客を知らせる声を聞き、笑顔で使用人を見た。

「私たちは皆古くからの知り合いだから、大広間は必要ないわ。彼女たちを小広間に案内して、お茶と軽食を用意してちょうだい。少しおしゃべりするわ」

小広間は大広間ほど広々としていないが、プライバシーはより保たれる。

使用人はうなずいた。

桑田蘭子はトイレに行ってから小広間へ向かった。

部屋に入るとすぐに、葉山姫奈がいらだたしげに立ち上がった。

「蘭子、どうしてこんなに遅いの?立派な大広間があるのに、わざわざこんな小広間に来させるなんて」

桑田蘭子は彼女を無視し、上座に座り、傍らの花茶を一口飲んだ。

茶碗を置いてから、やっと顔を上げて葉山姫奈を見た。「姫奈、いつになったらそのせっかちな性格を直すの?」

「あなた...どういう意味?」