第353章 持参金

林知恵は桑田剛のプロポーズを受け入れた後、両家の両親が一緒に食事をするだけでいいと思っていた。

しかし桑田剛は彼女に与えるべき儀式はやはり必要だと言った。

林知恵は彼に説得され、婚約式を開くことに同意した。

ただし小さな儀式だけで、彼らのサークルの大物たちは招待しないことにした。

彼女は自分の身分が、かえって桑田剛を困らせるのではないかと恐れていた。

桑田剛もそれに同意した。

決まってから、林知恵は二日間平静を保ち、やっとプロポーズのことを山下穂子に告げた。

結果、翌日、山下穂子は早朝から彼女を訪ねてきた。

ドアを入るなり、山下穂子は彼女の顔を左右から見つめ、少し不満そうに言った:「どうして肌が少し乾燥してるの?」

林知恵は頬に触れて:「季節の変わり目かもしれない。」