第397章 星奈が見当たらない

林知恵は幼稚園で事故が起きたと聞くや否や、他のことは一切気にせず飛び出した。

木村悦子と狭山一美が後を追った。

「幼稚園でどうして交通事故が?」

「ここの幼稚園は下り坂の所に建っていて、観光バスが下りてきた時に、運転手も何があったのか分からないけど、全くブレーキをかけずに幼稚園に突っ込んだんだ。ちょうどたくさんの子供たちが活動していて……おいおいおい、待ってよ!」

木村悦子は医者で、人を救うのは天性だった。狭山一美の説明を聞いただけで事故が小さくないことがわかった。

この時、大型バスが幼稚園の塀に引っかかっていた。車の前部は完全に運動場に突っ込み、後部だけが宙に浮いていた。

近くの多くの人々が手伝っていた。

大泣きする子供たちが次々と運び出されていた。

林知恵は前に走り寄り、腕を押さえている子供をつかんだ。これは星奈のクラスの子供だった。