第518章 タダ乗り

十五分後。

田中慎治と山田照夫は会場に戻った。

彼らが命を守る動きをしっかり覚えるまで、解放してもらえなかった。

その後、彼らは浴室に行って風呂に入り、自分の服に着替えた。

林知恵は髪を乾かし終えると、自分のバッグの横に二つの漫画絆創膏が置かれているのを見つけた。

一目で小島音芽が置いたものだとわかった。

彼女は浴室を見たが、靴紐を結んでいる狭山一美しか見えなかった。

「音芽ちゃんは?」

「もう帰ったよ。山田照夫は本当に彼女が桑田社長のことを漏らすのを恐れていたみたいで、かなり手厳しかった。歩き方もびっこを引いていたよ」と狭山一美は言った。

「一人で帰ったの?」

「うん、車を呼んだのを聞いたよ」

それを聞いて、林知恵は急いで浴室を出ると、ちょうど桑田剛が歩いてくるのが見えた。