林知恵と星奈、そして狭山一美は、桑田剛の手配で直接ファーストクラスへ向かった。
彼女が星奈の小さなバッグを受け取ろうとした時、上げた腕が痙攣するように痛んだ。
そして彼女はそのまま地面に倒れ込んだ。
星奈は驚いて、すぐに膝をついて彼女を支えた。
「小島おばさん!どうしたの?」
女性の頭から帽子が落ち、青白く冷や汗をかいた顔が露わになった。
小島音芽だった。
電話をしていた桑田剛は急いで通話を終えた。
「言った通りにやれ」
相手の返事を待たずに、彼は電話を切り、素早く小島音芽を抱き上げた。
しかし彼女の体が熱を持っていることに気づいた。
手伝いに駆けつけた狭山一美は口を手で覆い、恐怖に地面を指さした。
「血よ」
桑田剛は地面の血痕を見て、表情を引き締め、冷たくファーストクラスのCAを一瞥した。
CAは頷き、冷静にカーテンを引き、座席を平らにした。
桑田剛は小島音芽を座席に寝かせた。彼女の体は震えていた。
「救急箱を持ってきます」CAはそう言って素早く立ち去った。
桑田剛は狭山一美を見た。「彼女の体を調べてくれ」
狭山一美は「はい」と答え、素早く小島音芽のコートを脱がせた。
下のシャツまで開けた。
「血痕も傷もないわ」
小島音芽に背を向けていた桑田剛は、狭山一美の返事を聞いて拳を握りしめた。
次の瞬間、彼は礼儀も構わず、直接振り返って自ら確認した。
小島音芽は林知恵の服装一式を着ていた。外側はコーヒー色のロングコート、中はデニムシャツだった。
血痕があればシャツにはとっくに染みていたはずだ。
今、小島音芽の肌は不健康な青白さを呈していた。
痩せているが、体つきは魅力的だった。
少し黄ばんだ下着が豊かな胸を包み、呼吸に合わせて冷や汗が滑り落ちる。
皮をむいたライチのように、白く輝いていた。
しかし、どんなに魅力的な体つきでも、桑田剛は一瞥もしなかった。
「彼女を裏返してくれ」
「はい」
狭山一美は頷き、すぐに小島音芽を引っ張った。
小島音芽には力が全くなく、酔っ払ったように重たかった。
狭山一美は歯を食いしばって力を入れるしかなかったが、小島音芽は痛みで顔をしかめた。
それを見て、桑田剛は再び自分のルールを破り、直接手を伸ばして彼女を抱えて裏返した。