有栖川涼は習慣的にまた一本のタバコを取り出し、火をつけると、バルコニーに立ち、サンルームから漂う淡い光の輪を見つめながら、ゆっくりとタバコを吸い始めた。
タバコが燃え尽きても、サンルームの灯りはまだ消える気配がなかった。有栖川涼は両手で手すりに寄りかかり、灰色がかった夜景をしばらく見つめた後、視線を戻し、無表情で振り返って寝室に戻り、ベッドに入って電気を消した。
目が覚めると、窓の外はすでに明るくなっていた。有栖川涼は携帯電話を手に取り、半分目を細めて時間を確認した。朝の7時半だった。
彼が布団をめくってベッドから降りる時、ようやくベッドに自分一人しかいないことに気づいた。
有栖川涼はあまり立ち止まることなく、ただ軽く眉をひそめただけで、そのままバスルームに入った。