第152章 とても大切な人（2）

彼は気分が悪い時にタバコを吸うのが好きだが、お酒はあまり飲まないので、彼が人生で酔っ払った回数は、指折り数えるほどしかない。

そして四年前のあの夜、彼はたまたまお酒を飲んでいた。

それは彼の両親が亡くなって七日目のことで、ちょうどその日に彼の除隊報告が承認され、気分が最悪だった彼は、墓石の前で、空の酒瓶を地面に散らかすほど飲んだ。

その日飲んだのはすべてビールで、しかも郊外だったため、飲み終わった後、タクシーを呼ぶのも簡単ではなく、だから昨夜のように意識を失うほど酔っていたわけではなかった。

その夜、大雨が降り始め、彼は自虐的に墓石の前にしゃがみ込み、立ち去ろうとしなかった。

雨はますます強くなり、彼はずぶ濡れになった。自分はこの雨で死んでしまうのではないかと考えていた時、彼の頭上に傘がさしかけられ、そして彼の隣に、静かに誰かが座った。