「これは皆さんにしっかりと紹介しなければ……」柊木誠一は上杉琴乃の体越しに、常盤燿子に手を伸ばした。「これは私の妻の一番の友達、常盤燿子だ!」
言い終わると、柊木誠一は振り返って、常盤燿子に微笑みかけた。「燿子ちゃん、こちらは陸田透真だよ。さっき琴乃にも話したんだ。」
常盤燿子は軽く頷き、目の前のグラスを持って立ち上がり、陸田透真とグラスを軽く合わせ、優しい声で言った。「陸田さん、はじめまして。」
「こちらこそ、常盤さん。」陸田透真は礼儀正しく常盤燿子に微笑み返し、グラスを下げて飲み干した後、常盤燿子が座るのを待ってから紳士的に座った。
個室にいるほとんどの人を常盤燿子は知らなかったので、柊木誠一は陸田透真の右側から彼女に一人ずつ紹介していった。最後に紹介したのが有栖川涼だった。「燿子ちゃん、涼さんのこと覚えてる?」