第221章 他人の妻(1)

有栖川涼はあまり気にせず、無意識のうちに画面を下にスクロールしていた。エンターテイメントニュースが画面上部から消えようとする直前、彼の視界の端に「和泉沙羅」という三文字が映った。

彼は指先を少し止め、再び画面を下に戻した。そして、そのエンターテイメントニュースを見ると、なんと和泉沙羅に関するものだった。

「アイドル」和泉沙羅があなたを誕生日パーティーに招待、CSK生配信であなたを待っています。

誕生日パーティー?和泉沙羅の誕生日が近いのか?

有栖川涼は眉をわずかに寄せ、リンクをタップした。目に入ったのは和泉沙羅のグラビア写真だった。美しいには美しいが、有栖川涼にはどこか目元が違和感を覚えた。普段見る彼女の目の輝きがなく、あの繊細で澄んだ雰囲気も失われていた…

おそらくメイクや撮影の関係で、目の表情が不自然になってしまったのだろう…有栖川涼はその写真をしばらく見つめ、心の中でそうつぶやいてから、指先で下にスクロールし続けた。