第235章 俺の彼女の顔に泥を塗るなんて、お前に資格があるのか?(5)

有栖川涼は個室を出た後、トイレに立ち寄った。

先ほど個室で大きな怒りを爆発させたため、トイレから出て洗面台で手を洗っている時も、彼の顔にはまだかすかな怒りの痕跡が残っていた。

まさか、ただ遊びに出ただけなのに、彼女のせいでトラブルが起きるとは...彼女をトラブルメーカーと呼んだが、本当にトラブルメーカーだ...

トラブルメーカー?

有栖川涼は自分の頭に突然浮かんだこのニックネームに一瞬戸惑い、そしてあの夜、彼女をからかってこの名前をつけた場面を思い出した。彼の表情は思わず柔らかくなり、唇の端にもかすかな微笑みが浮かんだ。

そうだ、本当にトラブルメーカーだ...ただ、そのトラブルメーカーはもう家に帰ったのだろうか?

そう思った時、有栖川涼は自分が知らぬ間にかなり長い間手を洗っていたことに気づいた。彼は急いで蛇口を閉め、ペーパータオルで手を拭き、近くのゴミ箱に捨てると、振り向いてトイレの外に向かいながら携帯電話を取り出した。