第424章 お金を返してください!(4)

「あなたも忘れないで、私たちは民政局で登録したのよ!和泉沙羅はあなた、有栖川涼の妻なんだから、ここに住むのは当然でしょう。どうして私を追い出すの?」

なぜ彼女を追い出すのか?それは彼女がトラブルメーカーではないからだ!

有栖川涼は階段を上る足を止めた。彼は背を向けたまま2秒ほど立ち尽くしたが、彼女の言葉に応える気配はなく、むしろ振り返って、ゆっくりと階段を降り、玄関へと歩いていった。

「私は絶対に行かないわ!私はあなたの妻で、ここにいるべきなの!」和泉沙羅は近づいてくる有栖川涼に向かって、先ほどの自分の言葉の意味を断固とした口調でもう一度強調した。

有栖川涼の目元が冷たくなった。彼は和泉沙羅がそこにいないかのように、この光景に少し呆然としている執事に向かって「中に入れ」と言った。