彼が出てきたのは、彼女の物を窓から投げ捨てた時に、かつてトラブルメーカーにプレゼントしたものまで一緒に捨ててしまったことに気づいたからだった!
あれらのプレゼントは、彼がトラブルメーカーに買ったもの、どうして彼女に持っていかせることができようか?
有栖川涼はバッグをじっと見つめて少し考え込んだ後、視線を戻し、表情を変えずに和泉沙羅の横をすり抜け、家の入り口の階段まで歩いていき、抱えていたギフトボックスを地面に置いた。そして振り返って再び和泉沙羅の前に戻ってきた。
「涼……」和泉沙羅は三度目に有栖川涼の名前を呼んだが、「涼」の字がまだ口から出る前に、彼女の前に立った有栖川涼は、何の前触れもなく手を伸ばして彼女が肩にかけていたバッグを引っ張り、それを開けて中身を運転席に全部ぶちまけた。