アメリカでの用事を片付け終わったのは一週間後のことで、午後3時に成田国際空港に着陸した。車に乗り込むとすぐに大和くんの携帯が鳴り、その後彼に夕方のパーティーに出席する必要があると告げられた。
金曜日の道路は少し混雑していて、空港から市内へ、彼がいつも泊まるフォーシーズンホテルに着いたのはすでに午後5時だった。シャワーを浴びて着替え、水を一口飲む暇もなく、急いで車に乗り込み、パーティー会場へ向かった。
休む間もない社交の場、すべてが落ち着いたのは夜の8時だった。
突然の時差ボケ、3時間に及ぶフライト、そして直前の1時間以上の人との駆け引きで、有栖川涼は急に疲れを感じた。人に気づかれないうちに、手に持っていたワイングラスをちょうど通りかかったウェイターのトレイに置き、会場を出て、人気のない廊下に立ち、タバコに火をつけた。