第494章 足の傷跡(4)

おそらく彼女が夜に和泉沙羅を迎えた時、有栖川様の部屋の前に長く立っていたせいで、その後彼女に命じられてコンドームを買いに出かけ、冷たい風に吹かれ、さらに有栖川涼の3時間にも及ぶ会議、そして寒い冬のバルコニーで長時間冷風に当たったことで、体に寒気が入り過ぎたのだろう。

「どこが具合悪いの?」有栖川涼は彼女が目を覚ましたのを見て、少し安堵したものの、まだ緊張した声で尋ねた。

常盤燿子は有栖川涼の言葉に返事をせず、彼をぼんやりと見つめ、しばらく呆然としていたが、ようやく彼がなぜ彼女の部屋にいるのかと気づいた。

もしかして彼女が部屋に入って眠った後も、彼はバルコニーに立ったままずっと去らなかったのだろうか?

有栖川涼は彼女が黙っているのを見て、極度に苦しんでいると思い、考えるまもなく布団をめくり、身をかがめて彼女を抱き上げようとした。「病院に連れて行くよ」