第536章 私に愛を教えてくれた女の子が消えた(6)

常盤燿子は足を止め、振り返って大和くんを見た。

大和くんは書類の束から非常に豪華で精巧な封筒を取り出し、常盤燿子に差し出した。「常盤秘書、これは有栖川社長からあなたに渡すようにと言われたものです。」

常盤燿子は疑わしげに大和くんを一瞥し、封筒を受け取ると、すぐに大和くんの前で開封し、中からさらに豪華で華麗な招待状を取り出した。

それは有栖川グループの年次パーティーの招待状だった。

常盤燿子は和泉沙羅を演じていた時、有栖川グループが毎年開催するパーティーに参加する機会はなかったが、そのパーティーが普通の会社の年次パーティーとは違い、参加者は名門家族ばかりだということは耳にしていた。

おそらくメディアビジョン企業の副社長たちでさえ参加資格がないのに、なぜ自分が招待されるのだろう?