第13章 これが最後だ

安藤若菜は一瞬固まり、探るように尋ねた。「おじさん、何か問題でも起きたの？」

「大変なことになったんだ！お前が藤堂さんの機嫌を損ねたせいで、彼は今日突然安藤家との契約を解除すると決めたんだ。この時期に提携を取り消されたら、私の命取りも同然だ！若菜、お前たち姉弟を十数年食べさせてきた恩を思って、おじさんのために一度だけ妥協してくれないか？」

安藤若菜の顔が一気に青ざめ、膝の上に置いた手が微かに震えた。

なんて滑稽なんだろう。おじさんが本当に自分を心配してくれていると思っていたのに、すべては理由があってのことだったんだ。

彼の目には、すべては安藤家の利益に勝るものはないのだ。

彼女と吉は彼の実子ではないから、彼は彼らのことを少しも気にかけていない。

彼らを完全に利用して、あらゆる利益と交換できるのだ。