第41章 本当に私と離婚したいの？

「だって、あなたはもう結婚しているじゃない。妻がいるのに、私とあなたが一緒にいるなんて何なの？」

藤堂辰也は微笑んだ。「なるほど、嫉妬していたのか。心配しないで、いずれきちんと片付けて、けじめをつけるから」

雲井雪は急に顔を上げ、目に喜びの色が浮かんだ。「あなた...奥さんと離婚するの？」

藤堂辰也は深い眼差しで、言葉を返さず微笑むだけだった。

彼は安藤若菜と離婚する必要はなかった。これまでの経験からすれば、安藤若菜はそう長くは生きられないだろう。

なぜか、彼女が長くは生きられないと思うと、藤堂辰也の心は何かに打たれたように、少し落ち着かなくなった。

雲井雪は彼の目の奥にある深い思いを見て、疑問を浮かべた。「辰也、どうしたの？」

藤堂辰也は我に返り、彼女に優しく微笑んだ。「何でもないよ...そうだ雪、食事の後は送っていくよ。思い出したけど、まだ片付けていない用事があるんだ」