安藤若菜は藤堂辰也が完全な悪魔だと思っていた。陰湿で残酷で、彼を怒らせた者は誰でも強烈な報復を受けるのだ。
彼女は前世で藤堂辰也に対して何か許されざる行為をしたに違いない。だからこそ今世では彼にこのように苦しめられているのだろう。
また一日が過ぎた。この三日間、安藤若菜はケーキを一切れ食べただけで、今の彼女には何の力も残っていなかった。
藤堂辰也はいつものように扉を開けて入ってきた。彼の手には皿が一枚あり、その上には相変わらず手のひらサイズのケーキが一切れ。ただし今日は牛乳が一杯追加されていた。
「ベイビー、お腹すいたでしょ」男は彼女の隣に座り、彼女の体を引き寄せながら、偽善的に言った。
安藤若菜は彼を見ようともせず、空腹に耐えられなくなり、牛乳を奪い取って一気に飲み干した。そして手でケーキをつかみ、がつがつと食べた。