安藤若菜は雲井雪を嫌っていたが、それでも彼女に同情していた。
藤堂辰也のような悪魔を愛してしまうなんて、本当に悲しいことで、結末も良くない。
もし藤堂辰也と出会わなければ、彼女の生活はきっとお姫様のように、何の心配もなく、高い地位にあったはずだ。
また一度、雲井のお父さんとお母さんが頼みに来たが、彼らは正門にも入れず、追い返された。
安藤若菜はこれらの問題に関わりたくなかった。それに故意殺人罪も重罪であり、彼女には他人を救う力は全くなかった。
数日間引きこもった後、彼女は外出して散歩し、ついでに仕事を探すことにした。何もすることがないのは、彼女が望む生活ではなかった。
藤堂辰也に一言告げて、安藤若菜は一人で外出し、ショッピングモールへ行った。
彼が彼女に与えたゴールドカードは自由に使えるものだった。以前は彼女は彼のお金を使うことを嫌っていた。それは彼女が彼と離婚したいと思っていて、彼から少しの利益も得たくなかったからだ。