安藤心は目を輝かせ、心の高ぶりを抑えながら、上品に微笑んだ。「辰也さまがお気に召さないのでなければ、いつでも構いませんわ」
これは間接的な誘いと暗示だった。
まるで、あなたが望むなら、私はいつでも…と言っているようだった。
藤堂辰也は唇を少し上げ、その笑みはますます妖艶になった。
彼は酒を一口すすり、味わってから、賞賛するように頷いた。「さすがに良い酒だ。だが飲みすぎると、酔ってしまうだろうな」
グラスを置くと、彼は立ち上がり、安藤心に身を寄せた。漆黒の鋭い瞳には、妖艶な光が宿っていた。
安藤心の頬は少し赤くなり、彼女は恥ずかしそうに目を伏せた。カールした長いまつげは、まるでバービー人形のように魅惑的だった。
藤堂辰也の喉から酔わせるような低い笑い声が漏れたが、彼は彼女に何もせず、体を起こして別荘を後にした。