彼女は怒って顔を背け、彼と向き合いたくなかった。
藤堂辰也は彼女を簡単に見逃さなかった。彼は片手で彼女の腰をしっかりと抱き、もう片方の手で彼女の水着を引っ張った。
「ちっ、こんな時代遅れの水着、よく着られるな。ベイビー、こんな水着は小さな女の子が着るものだよ、君には似合わないよ」
「あなたに関係ないでしょ!」
「どうして関係ないことがあるか、君が着て出てくるのは私に見せるためだろう」数回で、彼は彼女の体から服を脱がせたが、安藤若菜には抵抗する力がなかった。
彼は後ろから彼女を押さえつけ、彼女は壁にぴったりとくっついて、少しも抵抗の余地がなかった。
彼の手が体の上を這うのを感じ、安藤若菜は怒って密かにもがいた。「誰があなたに見せるために着たって言ったの?あなた、調子に乗らないで!」
「ああ、私に見せるためじゃないなら、誰に見せるためなんだ?」彼は冷たく尋ねた。
安藤若菜の体は思わず震え、歯を食いしばって強がった。「とにかく、あなたに見せるためじゃないわ!」
「教えてくれ、誰に見せるためなんだ?」彼の手が後ろから彼女の背中を這い上がり、冷たい指先が毒蛇のようにゆっくりと彼女の首筋に到達した。
安藤若菜は彼を怒らせたくなかったので、妥協して言った。「自分自身に見せるためよ」
背後の冷気は突然消え、危険も消えた。
男は彼女の背中にキスを落とし、かすれた声で言った。「自分に見せるためでも駄目だ、君は私だけに見せるために着なければならない…」
そして、彼はもう一つの熱いキスを彼女の背中に落とし、彼女の背骨に沿って、一路下へと続けた。
安藤若菜は両手を握りしめ、額を冷たい壁にぴったりとつけていたが、それでも頭をはっきりさせることはできなかった。
彼女は知っていた、彼女の体は本当に堕ちてしまったことを。
彼の一度また一度の攻撃に対して、彼女はますます抵抗できなくなり、毎回崩れ去っていた。
このままでは、いつか彼女という人間も堕落し腐ってしまうだろう…
————
安藤心が被害に遭ったあの事件から、すでに十日が経っていた。
彼女はかなり早い段階で家に電話をかけ、しばらく旅行に出かけると言い、期間は未定だと伝えた。とにかく、ここに住んでいる間は、彼女が「旅行中」ということになっていた。