彼女の心は落ち着かず、内心とても苦しく辛かった。
やっと夜が明けると、安藤心は急いで藤堂辰也に電話をかけた。今回は彼は電話を切らず、真実を話してくれた。
「安藤若菜は一昨日、何者かに襲われた。今は危険期は脱したが、まだ昏睡状態だ。君も来てくれていいよ……」
住所を聞いた安藤心は急いで病院へ向かった。集中治療室の外で、彼女は藤堂辰也が少し離れたところに立ち、二人の警察官と話しているのを見た。
安藤心は足を緩め、急いで近づくことはしなかった。警察官が去ってから、彼女は男性の側に歩み寄った。
ガラス窓越しに、彼女は酸素マスクをつけた安藤若菜をすぐに見つけた。
心電図では、彼女の心拍は少し弱かったが、確かにまだ生きていた!
安藤心の目に一瞬、毒々しい光が走ったが、すぐに消え、誰にも気づかれなかった。