録音された自白を手に入れ、その中の証言を聞いた藤堂辰也は口元を少し上げ、冷たく残酷な笑みを浮かべた。
部下の一人が彼に尋ねた。「ボス、今すぐ証拠を警察に渡しますか?」
「今はまだいい。警察に渡したら、彼らを簡単に済ませてしまうだろう。あの三人をしっかりと『もてなして』おけ。あまり快適に過ごさせるなよ」
「はい、承知しました」
藤堂辰也はまた冷たく笑った。安藤心についても、彼女をゆっくりと苦しめ、十分に痛みを味わわせるつもりだった。
安藤心は以前、強さんたちに上田軍を探すよう手配していた。まずは彼がどれだけ知っているかを探り、もし知りすぎていたら、口封じのために殺すつもりだった。
しかし一晩中電話を待っても、強さんからは何の連絡もなかった。
昨夜は一睡もせず、日中も神経を張り詰めていた彼女は、夜明け前に疲れて眠気に負け、ベッドで少し眠ってしまった。