第394章 明後日に婚約する

それは金持ちだけが家を買うことができる住宅地で、安藤若菜がそこに住んでいれば、少なくとも安全は保証されていた。

3LDKの家を買い、室内庭園も付いていて、すでに高級内装が施されていたので、わざわざ改装する必要もなかった。

この家に対して、安藤若菜はとても満足し、すぐに購入した。

次は家具を揃えることで、彼女と夏目望は二日間家具市場を回って、ようやく全てを買い揃えた。

全てが整ったとき、すでに二週間後だった。

安藤若菜は夏目望の助けに感謝するため、自ら料理を作り、彼女と冷川言を食事に招待することにした。

夏目望は喜んで同意し、冷川言も連れてきた。

再びその背の高い男性を見て、安藤若菜は彼がまだ18歳の少年だとは全く見て取れなかった。

実際、彼は20代の男性よりも成熟して落ち着いて見えた。彼が自分の年齢を言わなければ、誰もが彼がすでに25歳を過ぎていると思うだろう。

冷川言はあまり話さず、表情はいつも淡々としていたが、安藤若菜には彼が夏目望に対して本当に優しいことがわかった。彼はとても素晴らしい男性だった。

安藤若菜は自分で料理するつもりだったが、冷川言は何も言わずにエプロンを付けてキッチンに入り、彼女に腕前を披露する機会を与えなかった。

夏目望は安藤若菜を引っ張り出して、笑いながら言った。「彼に任せましょう。彼の作る料理はとても美味しいから。」

「それはダメよ。彼はお客さんなのに。私が料理を作ってご馳走すると約束したのに。」

「もういいじゃない。あなたの作る料理なんて、私が食べられるかどうかわからないわ。やっぱり彼に作らせましょう。」夏目望は遠慮なく言い、安藤若菜は笑いつつも言葉に詰まった。

「オーディオも買ったのね。歌いたいわ。若菜、一緒に歌いましょう。」

夏目望はカラオケが大好きで、安藤若菜がオーディオを買ったのも、彼女のために準備したものだった。

リビングでは二人の女性が楽しそうに歌い、キッチンで料理をする男性の口元には微笑みが浮かんでいた。

彼女たちが歌い終わる頃には、冷川言の料理も出来上がっていた。

テーブルいっぱいの料理は、香りを嗅ぐだけでよだれが出そうだった。

安藤若菜は一口食べて、賞賛の意を込めて親指を立てた。確かに美味しく、五つ星ホテルの料理よりも美味しかった。