第402章 何の権利があるの！

「もし私を解放してほしいと言うつもりなら、その必要はない。子供が生まれたら、おそらく君を解放するだろう」

「どうしてこんなことができるの、私たちはもう離婚したのよ……」

「ああ、俺と君には関係がないかもしれない。だが俺と子供には関係がある。俺は自分の子供を諦めない、死んでも諦めない」最後の言葉は、彼は軽く、しかし断固として言った。

安藤若菜は全身が冷たくなり、絶望感に包まれた。

本当に彼から逃れることはできないのだろうか？

実際には可能だ、子供を諦めれば。しかし彼女にはこの子供しかいない、どうして諦められるだろうか。

「早く中に入れ」男は彼女と無駄話をする気はなく、強引に彼女を車の中に押し込んだ。

車はゆっくりと発進し、空港へと向かった。

道中、安藤若菜は黙ったまま、表情は冷淡で、藤堂辰也を一度も見ようとしなかった。